お役立ち情報

工場のポンプの省エネ対策

工場におけるポンプの役割について解説

工場内ではさまざまな設備・プロセスでポンプが活用されています。主な役割は液体や気体を効率的に移送することです。

具体的なポンプの活用方法として、冷却システムの場合は、液体を循環させ、機械や設備を適切な温度に保つことです。
またその他の用途として、圧力調整をして、必要な流体を正確な場所へ送り出す機能もあります。

上記の通り、ポンプは様々な工場設備の稼働において重要な役割を担っております。
そのため、設備の省エネ化を実施する際に、設備自体の見直しも当然ですが、ポンプの見直しも重要事項になります。

下記にてその重要性を詳細に説明しておりますので、ご確認ください。

ポンプの省エネ対策の重要性

ポンプはエネルギーを大量に消費するため、適切な省エネ対策を行うことで、電力使用量の削減とともに、設備の寿命を延ばすことが可能です。
さらに、近年の環境意識の高まりや、企業の社会的責任活動の一環としても、エネルギー効率の向上が求められています。
特に工場運営者にとっては、経費削減や持続可能な運営を実現するために、省エネ対策が大きな課題となっています。

また、エネルギー使用量を削減することで、温室効果ガスの排出量を抑え、環境負荷の軽減にも貢献できます。ポンプの省エネ対策を行うことで、直接的なコスト削減と長期的な利益向上に繋がります。

工場のポンプの省エネ対策例

インバータ制御の導入

インバータ制御をポンプに導入することで、ポンプの回転数を需要に応じて調整し、無駄なエネルギー消費を削減できます。
従来、ポンプは常に一定の速度で運転されていましたが、流量や圧力に合わせて回転数を調整するインバータ制御により、必要な分だけのエネルギーで運転が可能です。

例えば、夜間や休日など工場の稼働が少ない時間帯には、ポンプの回転数を下げることで大幅な省エネ効果が期待できます。
また、インバータ制御はポンプの寿命を延ばす効果もあり、摩耗や故障を防ぎ、メンテナンスコストの低減にもつながります。

ポンプの吐出圧の管理

ポンプが適切な吐出圧で運転されているかどうかは、省エネに大きな影響を与えます。
工場では、しばしば過剰な吐出圧でポンプを運転することでエネルギーの無駄遣い。吐出圧を見直し、必要最低限の圧力で運転することで、エネルギー消費を削減することができます。

また、圧力を最適化するために、圧力センサーを設置し、リアルタイムで圧力を監視することが推奨されます。
これにより、ポンプの吐出圧が設定範囲を超えた場合に即座に調整を行い、エネルギー効率を最大化することが可能です。

高効率モーターの活用

ポンプに使用されるモーターの効率も、省エネに大きく影響します。従来のモーターに比べて、IE3やIE4といった高効率モーターを使用することで、同じ作業量で消費されるエネルギーを大幅に削減できます。特に長時間連続運転される工場のポンプでは、モーターの効率が電力消費量に直結します。

高効率モーターへの切り替えは初期コストがかかるものの、運用コストの削減と設備の長寿命化を考えると、投資対効果が高い対策となります。

インペラの適正化

ポンプの心臓部であるインペラ（羽根車）は、流体の移動効率に大きな影響を与えます。インペラが適切に設計・選定されておらず、過剰に大きなインペラを使用している場合、エネルギーの無駄が発生することが多いです。

この対策としてインペラのサイズの適正化により、流体の移送効率を高め、エネルギーの浪費を防ぐなどがあります。
インペラの素材や形状を最適化することで、摩擦を減らし、エネルギー消費を抑えることが可能です。さらに、定期的にインペラのメンテナンスを行い、汚れや損傷を防ぐことで、運転効率を維持することに繋がります。

エア漏れの防止

エアポンプや真空ポンプを使用している工場では、配管や接続部分からのエア漏れが省エネにおいて重要な課題となります。
エア漏れはエネルギーの無駄遣いに直結し、ポンプの負荷が増加するため、エネルギー効率の低下を招きます。

エア漏れを防ぐためには、配管や接続部の定期点検が不可欠であり、ガス漏れ検知器や超音波検査機を用いて、微細な漏れも検出し、早期に修理を行うことで、省エネ効果を最大化できます。
エア漏れを放置すると、エネルギーコストの増大だけでなく、設備の損傷や稼働停止といったリスクも伴うため、ポンプのエア漏れ防止は工場の生産性向上のために必要不可欠になります。